農業とデータサイエンス、人工知能について関心のある人を対象にしたオープンな勉強会、「高知アグリ・データサイエンス・ラボ」。毎回、弊社内で定例会を開催していますが、次回は 6 月 5 日(日)です。
高知アグリ・データサイエンス・ラボはこれまで、栽培管理記録と環境記録から収穫量を予測する研究や、自作 IoT 温湿度計の設置といった取り組みをしてきました。現在取り組んでいるのは、農作物の物体検知です。メインで対象としている農作物は、弊社関連農場で栽培しています、高知特産花卉グロリオサ。
上図は、YOLO v3 という Python の物体検知アルゴリズムで、画像のなかのグロリオサを検出した結果です。
また、このような物体検知を行うためには、下図のような「アノテーション」という作業をしなければなりません。アノテーションには専門のツールがあり、下図は Microsoft の提供する「VoTT」です。
このようにアノテーションしたデータを、YOLO v3 という物体検知用の人工知能アルゴリズムを用いてコンピュータに学習させた結果、下図のように物体検知できるようになりました。
これはパソコンに保存してある画像のなかの物体を検知する AI なのですが、せっかくなのでリアルタイム検知したいところです。ということで、iPhone に実装できないか検討していたところ、Apple の提供する機械学習フレームワーク「CreateML」で比較的簡単に実装することが分かりました。
結果が下の動画です。
やや精度に改善の余地ありですが、グロリオサが検出されていることが分かります。
このあと、勉強会内ではせっかくなのでアプリをリリースしたいという方向になり、アプリの内容について話し合いました。そして、高知県の花を検出する図鑑的なアプリを開発することになりました。
ということで、同じような手法で、芸西村が特産品の「オキシペタラム」や、
高知にある中村農園さまで生産されているオリエンタル系のユリの検出に成功しました。
そして現在、アプリのリリースに向け、最終調整の段階まで来ています。
どれくらいの花の種類が収録されているかなどは、現時点では明かせませんが、まだややいくつか問題点があるため(主に検出精度)、無事リリースされたらそのあとも改善を重ねていきたいと考えています。
こうしたアプリの実装などは、メンバーの田中勇作さんに中心になって行っていただきました。
さて、次回、6 月 5 日の定例会ですが、データサイエンスや人工知能の勉強というよりは、アプリのリリースに向けた超・実務的な内容がメインになる予定です。iPhone アプリのリリース・プロセスを覗いてみたい方は、ぜひご参加ください。
参加料は無料で、以上紹介したような分野に関心のある方ならどなたでも参加可能です。
フェイスブックのイベントページ、もしくは下記 Google フォームからお申し込みください。
高知アグリデータサイエンスラボ定例会
- 日時: 6 月 5 日 14:00 ~
- 場所: こうち新みさと園芸
- 申込みフォーム: 高知アグリ・データサイエンス・ラボ 定例会
こうち新みさと園芸 web ショップのお知らせ
こうち新みさと園芸は高知市三里地区にある園芸出荷場です。主にグロリオサとミョウガを取り扱っています。グロリオサはネット通販で購入可能です。特別な日に、特別な華やかさを。三里の誇る情熱と栄光の真っ赤な花を、ぜひお手に取ってご鑑賞ください。
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